デジタルアート事業を展開するチームラボの展示の一つである「つかまえて集める絶滅の森」の体験用アプリの部分リニューアルプロジェクト
2025.10.31~2026.3.18
2026.3.19 リリース
アプリ制作チーム 7名
企画 2、デザイン 3(デザインチームリーダー、本人、アルバイト)、開発 3
リサーチ、WF設計、UI制作、アニメーション・イラストレビュー、デザインチェック
プロジェクト概要
Collecting Forestは、チームラボの展示「つかまえて集める絶滅の森」の体験用アプリです。
展示場内でアプリを通じて絶滅した動物を捕まえ、観察し、図鑑を完成させていく体験ができます。
新しい展示のオープンに先立ち、展示体験の改善を目的として、リサーチと課題定義を実施し、部分リニューアルを進めました。
リサーチと課題定義
実際に展示場を訪れ、展示を体験しているユーザーの行動を観察するとともに、現地スタッフへのインタビューを実施し、共通する課題を整理しました。
複数のエリアを回遊しながら体験する展示であるにもかかわらず、アプリインストール後に必ず行う必要があるチュートリアルに集中し、その場に立ち止まって操作しているユーザーが多く見られた。また、動物を捕獲するたびに図鑑の詳細ページへ遷移し、内容を読むことに時間を取られていた。これらの行動は他のユーザーの体験を妨げるだけではなく、体験の流れを途切れさせる。
展示場専用のネットワークが用意されているにもかかわらず、別のネットワークを利用し、通信が不安定であるという声が多くあった。既存UIでは、ネットワークが不安定になると警告アイコンのみ表示され、ネットワーク状態や専用ネットワークへの接続に関する案内が不足しており、見逃してしまうユーザーが多い状況だった。
アプリの利用にはカメラとBluetoothの権限設定が必須だが、ダイアログのみで案内されているため、誤って閉じてしまうケースが多く、その結果アプリが正常に動作しないという問い合わせが頻発していた。また、iOSではコントロールセンターからのBluetooth設定が別途必要であるにもかかわらず、それに関する案内がないため、権限は設定されているものの動作しないという問題も発生していた。
解決策
課題に対する解決策を提示しました。
展示オープン前に、チュートリアルがない状態で内部テストを行った結果、操作がシンプルであるため、特別な案内がなくてもすぐに体験を始めるに問題はなかった。
これをもとに「チュートリアルがなくても展示体験に支障はない」という仮説を立て、チュートリアルを削除した。
また、操作に困難を感じるユーザーのために、誤操作の回数に応じてヒントボタンを強調し、操作方法を確認できるようにした。
動物を捕獲した直後に、その動物に関する一部の情報のみを簡潔に表示し、興味を喚起するとともに、詳細情報は必要に応じて「図鑑を見る」ボタンから確認できるようにした。
これにより、ユーザーがスムーズに次の採集へ移行でき、展示体験の流れを途切れないようにした。
ヘッダーの背景色の切り替えと案内文を表示し、不安定なネットワーク状態が目立つようにした。
また、詳細ボタンを設置し、展示場専用ネットワークへ接続できるよう案内した。
権限およびBluetooth設定が完了していない場合、画面を遷移させて設定方法を段階的に案内した。
また、iOSのコントロールセンター内のBluetooth設定については、実際の端末画面を使い直感的に理解できるようにした。
結果
リリース後、メンバーが現場に訪問し、ユーザーの行動を観察しました。
展示場入口からチュートリアルなしでも自然に体験を始めるユーザーが多く見られ、操作に困る様子はほとんど確認できませんでした。
また、スタッフから「ネットワークや権限設定に関する問い合わせが減った」というフィードバックを受け、設定フローの改善が有効に機能していることを確認しました。
今後は、本プロジェクトで導入できなかった分析ツールを活用し、ユーザーの行動パターンを数値として収集し、改善効果を客観的に検証していく予定です。